しんがきBros.

沖縄の小僧が世の中のカルチャーに関してあれこれ書きますブログ(敬愛TV Bros.)

悲しみを生きる

f:id:saya3762shingaki:20160509021427j:image
柳楽優弥という俳優を今まであまり気に留めたことはなかったし「誰も知らない」のあの男の子かぐらいの認識だったのだけど、今放送中のドラマ「ゆとりですがなにか」(日テレなので沖縄での放送は無い)を観てからというもの、自分の好きな俳優ランキングの中でトップ3にいきなり躍り出てきました。何でこの男に惹かれたのか考えたんだけど、なんか目が違うなって、肝が据わってるなって感じたんですよ。それで、YouTubeにあがってるA-studioの柳楽優弥の動画を観てわかりました。是枝裕和監督の「誰も知らない」でカンヌ最優秀男優賞を獲ったあとちょこちょこと俳優の仕事をしていたみたいなんですが、あるときバタンと仕事が来なくなって結婚もして奥さんも居たのに家でゴロゴロしていたんですって。それでこのままじゃヤバイってことになって洗車と居酒屋のバイトをしたそうです。あの柳楽優弥がですよ。カンヌ映画祭最優秀男優賞の男がバイトですよ。苦しいし辛いでしょ。その当時是枝監督はすごく心配してたけど何も声をかけなかったって鶴瓶が言ってて、それを聞いて柳楽優弥泣いたんですA-studioの収録中に。1つ上の奥さんも心配はしているけど、RPGゲームをやっているようにこの人がどんどん成長していくのをそばで見ていることが楽しいって言うんです。

何が言いたいかってこの男の中に確かに悲しみがあって、演技中にその悲しみが見え隠れして覚悟っていう言葉が伝わってくる気がするんです。「ゆとりですがなにか」も、これから上映される「ディストラクションベイビーズ」も楽しみなんや俺は!!柳楽優弥!俺はお前が好きだ!!
f:id:saya3762shingaki:20160509021437j:image

あぁ、愛してやまない吉田拓郎に怒られそうだな。「うんこみたいな人間が人生を語るな!」って。

ごめんなさい!!!


なつ、かぜ、こい

本格的な夏に突入してきた模様です。夏ってヤツは必ずやってくるんです。それも結構長い間居座るんです、沖縄では。暑いです。でも少し風が強くて気持ちいいです。

 

 
きみをさらってゆく風になりたいな
きみをさらってゆく風になりたいよ
 
きみの眼を見てると
海を思い出すんだ
淡い青が溶けて
何故か悲しくなるんだ
 
夏はいつのまにか
翼をたたんだけど
ぼくたちのこの愛
誰にもぬすめはしない
 
きみをさらってゆく風になりたいな
きみをさらってゆく風になりたいよ
 
きみをさらってゆく風になりたい、なんて言葉恥ずかしすぎて使えないよ僕は。でも、松本隆の歌詞を耳で眺めていると、季節関係なく春夏秋冬恋したくなりますな。とか言う僕には彼女なんていなくて、恋に恋しているのだろうか。歌詞に酔ってる自分に酔ってるんだろうなきっと。あぁ、もうそろそろ好きなものをファッションにすることはやめよう2016年5月8日日曜日お昼過ぎ。

悲しみの秘義

f:id:saya3762shingaki:20160427072717j:image
「悲しみの秘義」若松英輔

この本を読む前と読んだ後では世界が少し違って見えるぐらい、ものすごく良い本です。まず、装丁が綺麗です。これ表紙がこの色以外にあと5種類ありまして、買うときに結構悩みます。僕は悲しみ=紫かなと思い、この色にしました。こういう作り手のちょっとした遊び心すごく好きです。
みんな自己啓発本とか買わないでこういう本読んだらいいのになぁって思うんですけどね。難しいですね。

さて、本の内容なんですが著者の若松さんが日経新聞に連載した25個のエッセイが収められています。
書評でも俵万智さんが書いてるんですが、若松さんは引用の達人です。宮澤賢治須賀敦子神谷美恵子ソクラテス小林秀雄石牟礼道子河合隼雄、、、あらゆる方々の言葉を引用しご自身の考えや思想を述べています。でも引用するってことは、その文章、言葉を本当に噛み砕いていないと出来ないですよね。そういうところが引用の達人と言われる所以なんでしょうね。

本の中にすごく心に突き刺さる文があったので紹介させてください。
水俣病で亡くなった坂本きよ子さんという女性の母が、作家の石牟礼道子さんに宛てた言葉です。若松さんは「少し長いが、できれば、声に出して、ゆっくり読んで頂きたい。一度ではなく二度、読んで頂きたい。」と書いています。

きよ子は手も足もよじれてきて、手足が縄のようによじれて、わが身を縛っておりましたが、見るのも辛うして。
 それがあなた、死にました年でしたが。桜の花の散ります頃に。私がちょっと留守をしとりましたら、縁側に転げ出て、縁から落ちて、地面に這うとりましたですよ。驚いて駆け寄りましたら、かなわん指で、桜の花びらば拾おうとしよりましたです。曲がった指で地面ににじりつけて、肘から血ぃ出して、「おかしゃん、はなば」ちゅうて、花びらば指すとですもんね。花もあなた、かわいそうに、地面ににじりつけられて。
 何の恨みも言わじゃった嫁入り前の娘が、たった一枚の桜の花びらば拾うのが、望みでした。それであなたにお願いですが。文ば、チッソの方々に、書いて下さいませんか。いや、世間の方々に。桜の時期に、花びらば一枚、きよ子のかわりに、拾うてやっては下さいませんでしょうか。花の供養に。

偽善者とか言われるかもしれないですけど、僕は何度も読み返しては涙を流しました。この文を打っている今も泣きそうです。突き刺さります。
忘れたくないです。こういう人が居たこと、この文章、言葉が持つ強さ。これからも言葉とともに生きていきたいです。

この本が皆さまの目に触れますよう祈っています。

はっぴぃさん

f:id:saya3762shingaki:20160424223052j:image
「はっぴぃさん」荒井良二

はっぴぃさんはときどき山の上の大きな石の上にきて、困ったことや願いを叶えてくれる何かで、いつでも慌てん坊の女の子といつでものろのろの男の子がはっぴぃさんに願いを叶えてもらうため別々に山を登っていくという絵本です。

2人は山の頂上ではっぴぃさんを待ってる間初めてお話しをします。
「きみのねがいごとってなあに?」
「ぼくはなんでものろのろなので、どうしたらのろのろじゃなくなるのかききたかったんです」
「きみのねがいごとってなぁに」
「わたしはなんでもあわてるので、どうしたらあわてなくなるのかききたかったの」
たいようがふたりのはなしをきいています
「きっとのろのろはなんでもていねいだからだとおもうわ」
「あわてるのはなんでもいっしょうけんめいだからだとおもうよ」
ふたりはちいさくわらいました
それからおおきくわらいました
シンプルなお話しだけど、何か忘れてしまったものを教えてくれるような気がします。大好きな絵本です。

f:id:saya3762shingaki:20160424230231j:image
著者の荒井良二は今年の9月に行われる山形ビエンナーレという美術展覧会の芸術監督を務めるそうです。むっちゃ行きたい!お金貯めよ。

アディオス!

返ってこない本たち

こんにちばんは。オススメおじさんことしんがきりゅうじです。今日は誰かに貸したままきっともう返ってこないだろうっていう本を3冊紹介しますね。

1冊目「ミニシアターのつくり方」
f:id:saya3762shingaki:20160414001522j:image
約3年前、自分がまだ19歳だった頃ちょっと気になっていた女の子に貸したら返ってこなくなった本ですね。この女の子にはすごく嫌われてしまったので、これはもう一生返ってこない本です。この本は全国各地のミニシアターを取り上げた本となっているのでミニシアターが好きな人間にとっては興奮して鼻息が荒くなること間違いないです。オススメです。

2冊目 小山田咲子「えいやっ!と飛び出すあの一瞬を愛してる」
f:id:saya3762shingaki:20160414002739j:image
この本はandymoriのボーカル小山田壮平さんのお姉さんが書いていた日記をそのまま書籍にしたものです。小山田咲子さんは文章のセンスがあって将来も有望な人だったようですが、海外旅行中に不遇の事故で若くして亡くなられているんです。この本でしかこの人を知らないのになんかものすごく悔しくなりませんか。andymoriの歌の中に「Peace」というタイトルの歌があるんですが、その歌詞の中に「姉さん会いたいよ、いつでも思ってるよ」という部分があって、それを聴くたびに泣きそうになるんです。
この本はバイト先のandymori好きの先輩に貸したまま返ってこないですね。先輩元気かな。また東京行ったときに返してもらえるかも。超オススメの本ですこれ。

3冊目平野紗季子「生まれた時からアルデンテ」
f:id:saya3762shingaki:20160414005435j:image
これはもうタイトルだけでもうすでに良いっていう類の本ですよね。フードエッセイスト平野紗季子さんの食に対する見解とパワーが凄まじいです。その凄まじさみんなにも感じてほしいぃ。
この本はバイト先の同い歳の女の子に貸して、その子のお母さんも読みたいって言うもんだからもう是非是非読んでくださいませって結構長い間貸したら、返ってこなくなりました。でもなんか最高じゃなですか。貸した本がその人の親にまでいく感じ。この本もめちゃくちゃオススメです。

また会おう!アディオス!

                            オススメおじさんより


幸せって?

私しんがきはこれまでに片手の人差し指と小指で数えられるくらいしか女性とお付き合いをしたことがないのですが、女性と付き合うと私は「俺が絶対にこの子を幸せにしてやる!任せとけ!」みたいな宮本から君へ(大好きな漫画)の主人公宮本のような熱い気持ちで付き合っては最終的に「俺にはやっぱり無理だ幸せにできねぇ」と落ち込み、潰れて、後悔しながら自分から関係を絶ってきましたが、ようやくわかりました。

「幸せなんてものは、してやるものじゃない。それぞれが勝手になっているもの」(友達はもう気づいてた)
ということを。あの、なんか、誰かが結婚した時にみんな「末長くお幸せに」って言うじゃないですか。あれはきっと「勝手に幸せになってね」っていうニュアンスの言葉をただなんか良さそうな響きにしてるだけなんじゃないですかね。(捻くれてますね)
幸せって人それぞれの物差しで変わってくるから、幸せにしたいっていうのは幸せにしたい側のエゴなんだとやっと気づきました。とはいえ、幸せにしたいって気持ちも大事ですよね。お金が沢山あると幸せに感じる人も居れば、自分の部屋があって自分の空間があるだけで幸せな人も居る、毎朝大好きなパンを食べられればそれで幸せって人も居ると思し、大好きな人とただ一緒に居られるだけでっていう人も絶対にいる。だからちゃんとお互いそれぞれの幸せを確かめ合ってそれに近づけていくことが大事なんですよねきっと。またそれが難しいんでしょうねー。ね。なんか押し問答みたいになってきた。
 
でも、こんな御託を並べてもどうせきっとしんがきさんの次の恋も上手くいかないことだらけですよはい。
 
吉野弘祝婚歌
二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派過ぎないほうがいい
立派過ぎることは
長持ちしないことだと
気づいているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうち どちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気づいているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には色目を使わず
ゆったりゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そしてなぜ 胸が熱くなるのか
黙っていてもふたりには
わかるのであってほしい
吉野先生、この詩を心の内ポケットにひっそり入れときます。それで好きな人の顔を見る度にポケットからそーっと出しますね。
 
あぁ、なんだか今俺勝手に幸せだ。。。
 

www.youtube.com

アディオス!

 
 

スネ夫のユーモア

f:id:saya3762shingaki:20160403204613j:image

今日は小学生の妹と2人で「映画ドラえもん 新・日本誕生」を鑑賞してきました。日曜日ということもあって混んでるかもと心配していましたが、公開から1ヶ月ほど経っているのでそれなりに空いていました。

1989年に公開された日本誕生は観ていたし、どこをどうアレンジしているのかを中心に観ようと思っていたんですが、なんだかよくわからない疲れが溜まっていたみたいで開始30分ぐらいからウトウトしてしまいアレンジの部分などあまりわからず映画が終わった時には妹に注意されちゃいました。しっかりした妹なのです。
でも、うろ覚えだけど1つだけわかったことがスネ夫のユーモアが好きってことです。
スネ夫ジャイアン!写真撮るよ!」
ジャイアン「おぅ!カッコよく撮れよなー!」
スネ夫「元が良くないのに、上手く撮れるかなー」
うん、スネ夫面白い。
ギガゾンビに捕まってしまいトラの生贄にされそうになった時、
スネ夫「僕より絶対ジャイアンのほうが美味しいだろー!!」
ジャイアン「何言ってんだてめぇ!!」
うん、スネ夫すごく好き。たぶん見逃してるところもきっとあると思う。
 
最後ドラミちゃん出てきたの嬉しかったし、いつみてもタイムパトロール隊めっちゃかっこよくて憧れる。やっぱりいいストーリーです。
 
妹はドラえもんの映画全部観てるんじゃないかっていうくらい大好きだし今回もすごく楽しかったみたいで嬉しい。お兄ちゃんとしては好きなものはずっとちゃんと好きでいておくれ〜、っていう気持ちでいっぱいです。
 
昨日は「ねずみとくじら」「はっぴぃさん」という絵本を買いました。(はっぴぃさんオススメ!)
今月は読書月間と勝手に決めました。絵本沢山買います読みます。絵本以外もね。
 
大好きな歌。まだ4月だけどね。てかもう4月かよ!
 
アディオス!